監修者からのあいさつ

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次世代の分子イメージングをリードするPET/MR

様々な分子プローブを用いて,生体内の生命現象を可視化しようとする分子イメージングは,生命科学の発展,創薬,新しい診断法や治療法の開発など,幅広い分野に貢献することが期待されている。PET,MRIそして光イメージングが独自の発展を遂げている。各々の特徴を生かすために,様々な融合画像が試みられてきたが,分子レベルの動きを捉えるには不十分であった。PET/MRは高いコントラスト分解能と様々な情報を有するMRIと,多くの分子プローブを有するPETを,完全に同時収集できるという特徴がある。これは単なるFusion Imagingとは全く意味が違い,分子イメージングにとっては革命と言っても良い大きな進歩である。画像診断がRadiomics, RadiogenomicsそしてTheranosticsへと発展していく上で,PET/MRは不可欠の機器である。残念ながら,国内への導入が遅れているため目にする機会が少ないが,その桁外れな能力を知って頂く事が大切であると考え,Webベースで解説する事を試みた。
神戸大学理事・副学長
杉村 和朗 先生

 

特長

Image Simultaneously

SIGNA PET/MRは3.0T MRI Systemの内蔵Body Coilの内側、傾斜磁場コイルの外側にMRI磁場環境下で使用可能な半導体検出器 Silicon Photomultipliers(SiPM) を配列。
MRIのアイソセンターにPET Detectorが配列された、一体型Scannerとなります。
そのためPET収集と同時にMRI撮像が可能であり、PETとMRIを同時に撮像できるSystemとなっています。
この同時収集により融合精度の高いPETとMRIの重ね合わせ画像の取得が可能となり、診断能の向上に期待されます。

 

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Hi Sensitivity & Time of Flight

半導体検出器を体軸方向に5個配列させることで体軸方向視野25cmを確保することで収集カウントを増加、scintillatorの厚みを25mmにすることでクリスタルを透過し数え落とす光子を低減、Compton scatter Recoveryという新たな技術でコンプトン散乱による数え落としの補正、この3つの技術を用いることで21cps/kBqというHi Sensitivityを実現。

半導体検出器はSilicon Photomultipliers(SiPM)を採用することで、400psec以下のTiming Resolutionを有し、PETにおけるTime of Flightが可能。

PET/MRにおけるPETのTime of FlightはPET画像におけるノイズの低減というメリットだけでなく、MRIではFOV外となりカバーすることのできない体輪郭を描出し吸収補正技術に使用することで、より定量精度の高いPET画像の取得が可能です。
PET DetectorとしてHigh Performanceな性能を有したScannerとなっています。




Stand Alone MRの多彩なアプリケーション

造影剤を用いずに非侵集的に脳灌流画像が得られる3D ASL、音を出さない撮像というだけでなく、血流の位相分散、磁化率の影響を抑えるSilent Scan、FSE法をベースとするT2強調、プロトン密度強調、FLAIRにおけるアイソトロピックな分解能を有するVolume撮像法の3D CUBE、リアルタイム3Dナビゲーターを用いて、頭部における3次元の動き補正を行う3D PROMO、全身領域での各種コントラスト・任意断面撮像が可能にて高度な動き補正技術を可能とするPROPELLER、ピクセルごとの局所磁場不均一を計算し再構成するIDEAL&FLEX、水・脂肪分離技術の進化系の肝生検などにより測定されていた脂肪含有率を非侵襲的にマッピングするIDEAL IQ、非造影で全身領域の血管ボリューム撮像するInhance Suiteなどさまざまなアプリケーションも使用可能です。

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FSE T2W

PROPELLER
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製品名: SIGNATM PET/MR
薬事認証名称: シグナPET/MR
医療機器認証番号: 226ACBZX00058000

PET/MR画像の一例

18F-FDGを用いた検査の一例

PET/MR画像に関するコメント

下顎歯肉癌の一例
MRIの優れたコントラスト分解能により、局所進展度評価に威力を発揮するが、同時収集により高い精度のPETとの融合画像が得られている.T2強調画像では腫瘍周囲に浮腫や炎症を思わせる境界不明瞭な高信号域の広がりが見られるが(青矢印)、PETの情報により明瞭な境界を持って腫瘍と周囲の二次変化を区別することができる(黄矢頭)。また壊死を伴うリンパ節の充実部分に一致した集積が見られ、viableなリンパ節転移を示唆する(赤矢印)。

神戸大学医学部附属病院
野上 宗伸 先生


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18F-FDGを用いた検査の一例

PET/MR画像に関するコメント

子宮肉腫 Leiomyosarcomaの一例
M不均一な内部信号および集積を呈しており、腫瘍内heterogeneityを反映していると考えるが、拡散強調画像の信号とFDGの集積分布が異なっており、興味深い。本例は子宮体癌も合併しており、拡散制限は乏しいが有意なFDG集積を認める。(青矢印) PET/MRでは同時収集により、非常に高い精度の融合画像が得られる点は特筆すべき特長である。

神戸大学医学部附属病院
上野 嘉子 先生


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